
峠道の脇には沢があった。
今まさに越えようとする峠の麓で酒を醸す、いくつかの酒蔵でできた酒
を、自分は愛飲している。山から湧き出て沢を流れるこの清らかな水の
なかには、そんな美味い地酒になるのもあるだろう、とふと思った。
だが深い山中故、人目につかないことから悲しい光景にも出会う。
ゴミの不法投棄をよく目にした。とても残念だ。

勾配はきつくなないものの、だらだらと続く坂を登り切ったところに峠はあ
った。沿うように通る国道には、一方には奈良・もう一方には大阪を示す標
識が掲げられていた。ここがこの2つの府県を分かつ竹内峠なのだ。


(続く)
この記事へのコメント