11/8(金)から11/11(月)にかけて、の巻(その5)

 11/11(月)。Tの告別式の翌日である。

 朝目が覚める。前日夜、Mと飲んだ酒がまだ残っていた。ひどい二日
酔いではなかったが、朝飯を食べたくなるほどの食欲はなかった。午前
中は布団の中で過ごす。
 さすがに昼近くになると腹が減ってきた。昼食は自分の好物である鍋
焼うどんだった。
 自分から母親に「オレの好物は鍋焼うどん」と公言したことはこれまで
なかったはずなのだが、やはりそこは親子。何となく分かるものなのだろ
うか。
 デキた息子であれば「オレの好きな鍋焼うどん作ってくれてありがとう」
と礼を言うべきなのだろうが、親不孝者の鏡・模範を自認する自分にはそ
んなことはとてもじゃないができない。鍋焼うどんを見事完食するや否や、
さっきまで寝ていた2階に無言でさっさと戻っていった。こんな息子を持っ
て、親も実に可哀そうである。
 
 今回の帰郷は告別式参列が目的だった。当初からこの日の午後、また
新幹線で東京に戻るつもりだった。
 しかし、次第に帰るのが面倒臭く感じだした。
 告別式では久しぶりに会った同級生たちがいた。亡くなったTと一緒だっ
た時のクラスの担任の先生も来られていた。そんな人たちに会い、里心
がついたのかも知れない。
 東京に戻ったところでやるべきことと言えば、アマオケの練習ぐらいしか
ない。これは仕事ではない。行きたくなくなって、いざとなれば「バックれ
る」こともできる、というものだ。
 だが、やはり帰ることにした。その日の午後4時頃、実家を後にして東京
に向かった。
 いずれここに戻ってくるだろう、と心の底で思いながら。

 あれからちょうど1週間経った。早いものだ、と思った。

 
 (以上)

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